パナマが脚光を浴びはじめたのは、
2004年ベストオブパナマで、
まさにジュースのような感覚の味をもった
エスメラルダ農園の登場がきっかけであったでしょう。
その後もトップに君臨する同農園の存在意義は、
原種の一つと言われているゲイシャによるとことが
大きいと考えられます。
ただし、ゲイシャを栽培すれば
素晴らしいコーヒーができるのではなく、
それを取り巻く自然環境(テロワール)が
大きく関与しているとも考えます。
コーヒーより進んでいるワインの世界では、
品種とテロワールの関係を
重要視しています。
フランスはブルゴーニュの赤ワインは
ピノノワールという単一品種でつくられます。
その品種はテロワールを反映させる媒体と考えられており、
良いワイン、つまりは良いぶどうをつくるには
これらの組み合わせが肝要なようです。
話はコーヒーに戻り、
今販売中のパナマ コトワ DON‐Kの農園主 リカルド・コイナー氏は
「コーヒーの香味は、小気候、土壌、品種が体現するもの」
と考えており、
品種とテロワールの関係を大事にしていると思われます。
そのコーヒーの良さは、生豆の段階で何となく"うまそう"と感じます。
焙煎中も良い豆との感触を感じつつ
L値20.5~22.5 のハイローストに
仕上げた焙煎豆の香味は非常によく、
冷めるとオレンジやアプリコットのような果実味を感じます。
果物感のある良いコーヒーです。