コーヒーは農産物

「世界的に天候に異変が発生し、作物の価格が高騰しています。」
新聞、テレビなどメディアを通じてこの情報を知った方は多いでしょう。

一般的に、この情報からは取り分け"価格高騰"がフォーカスされるでしょうが、
"天候異変"に着目されることを願います。

コーヒー屋の観点から話すと"コーヒーは農産物"になります。

"気候"は多数の"気象の組み合わせで、地球上のどの地域においても、
ある周期で、ある気象が繰り返しており、ある時期にはほぼ似たような
表情を見せているようです。

この"ほぼ似たような表情"は、裏を返せば"同じ気候"はないということです。

よって、工業製品と違い、自然環境の影響を諸に受ける農産物コーヒー
の作柄は年によって変わることはあたり前の話で、
特に近年の温暖化は悪影響を与えていると思います。

コーヒーの生産地に足を運ぶまでは上記のようなことは
頭の片隅にもなく、"美味しいコーヒー"を求めるだけでした。

恥ずかしい話です。

さまざまな産地に赴くことで、生産者たちが自然と向き合い、
時には戦い、時にはその恩恵を受け、共存していることを伺い知り、
コーヒーに対する考え方が一変しました。

現在、さまざまな地域からニュークロップ(新豆)が入荷しています。
それぞれの地域で、その年に育まれた香りや味がそこに存在しています。
コーヒーはその年の味を楽しむことができます。

また、継続して同じコーヒーを飲み続けることで
生産年による香りや味の違いも感じられるようになります。